Cloudflare 無料枠で個人開発を $0 に収める
問い: 個人開発のフルスタック(配信・コンピュート・ストレージ・AI・メール)を、Cloudflare の無料プランだけでどこまで回せるか。 どのクォータが先に枯れ、どこに「無料のはず」だった有料化の罠があるか。
スコープ: Workers / Pages / R2 / D1 / KV / Durable Objects / Queues / Workers AI / Vectorize / Hyperdrive / AI Gateway / Email Routing / Web Analytics ほかと、課金開始日・落とし穴・$0 構成パターンを扱う。 Zero Trust とメール送信の深掘りは範囲外(受信=Email Routing は無料で完結する点のみ触れる)。 数値はすべて 2026-04-17 時点の一次ソース(公式 Developers Docs / 料金ページ)に基づく。料金・クォータは時点依存なので、再利用時は最新を確認すること。
TL;DR
- 主要コンピュート/ストレージ(Workers・D1・R2・KV・Queues・Vectorize・Hyperdrive)は無料プランで商用利用可。支払い方法未登録の純粋な無料アカウントなら超過時はエラーを返すだけで、通知なしの課金は起きない(有料プラン併用・決済手段登録済みは一部超過課金)。
- R2 はegress 完全無料。S3 + CloudFront 相当を、保存 10GB 超からのみ従量で構築できる。
- 独自ドメイン宛メールの Gmail 受信は Email Routing だけで $0 完結。送信(Email Sending)だけが Workers Paid 必須。
- 枯れやすいのは「数」ではなく密度 — Workers の CPU 10ms、D1 のスキャン行数、R2 マルチパートのクラスA操作。
- 「無料のまま」だったものが後から課金開始した前例がある(Workers Logs・Workflows ストレージ・Stream Media Transformations)。
日次無料クォータ早見
| メトリクス | 1日あたり無料上限 |
|---|---|
| D1 行読取(行/日) | 5,000,000 |
| Workers Logs(件/日) | 200,000 |
| Workers リクエスト(req/日) | 100,000 |
| KV 読取(回/日) | 100,000 |
| Durable Objects(req/日) | 100,000 |
| Hyperdrive クエリ(回/日) | 100,000 |
| Queues 操作(操作/日) | 10,000 |
| Workers AI(Neurons/日) | 10,000 |
図1. 主要サービスの「1日あたり無料上限」を桁感で並べたもの(対数軸)。単位はメトリクスごとに異なる(行・件・req・操作・Neuron)ため、バー同士の横並び比較はできない。出典: 各サービスの公式 Pricing/Limits、2026-04-17 時点。