← 目次へ戻る

落とし穴と課金開始日

無料枠は「リクエスト数」より「1リクエストあたりの密度」で先に詰まる。代表的な罠を挙げる。

R2 マルチパートのクラスA爆発
5GiB 超のアップロードはマルチパート必須で、各パートが1クラスA操作。10GB を 10MB パートで分割すると約1,002操作/ファイル。大ファイルだけで月100万クラスA枠を食い潰しうる。
Workers CPU 10ms の罠
リクエスト数が余っていても CPU 時間で詰まる。CPU タイムと Walltime(IO 待ち)は別物。複雑計算・画像処理・大きな JSON 解析で超過する。
D1 フルテーブルスキャン
行読取はスキャンした行数で課金される。インデックス未設計のフルスキャンは 5M/日 をあっという間に消費する。性能と制限消費が直結する。
KV の結果整合 + 1書込/秒
リアルタイムカウンタには不適。書込直後の読取が古い値を返しうる。強整合は Durable Objects(無料は SQLite)へ。
Pages ビルド 500回/月
帯域は無制限だが、PR ごとにビルドするとすぐ上限。プレビュースキップなどの最適化が要る。
Workers 無料のサブリクエスト上限
外部50・CF内1,000のまま(有料は撤廃済み)。Fan-out 並列フェッチや多数 R2 操作が構造的に制約される。
Queues 24時間保持
コンシューマーが24時間以上止まると未処理メッセージが消える。DLQ 設計が重要。
Bot Fight Mode の回避不可
WAF カスタムルールの Skip で回避できず、決済サービス等の特定 IP を許可リスト化できない。回避は無効化か Pro 以上の Super Bot Fight Mode へ。

「無料だったもの」が課金開始した履歴

無料で始まった機能が後から従量課金に転じた前例。新機能を $0 前提で組むときは、この傾向を踏まえて代替経路を確保しておく。

支払い方法未登録の純粋な無料アカウントでは、超過時にエラーを返す設計なので「気づかぬ高額請求」は構造的に起きにくい。怖いのは請求ではなく、上限に当たって機能が止まること。ただし有料プラン併用・決済手段登録済みだと一部製品は超過課金される。