コードレビューの重点化(設計可視化+静的解析で違和感だけ読む)
一言まとめ
チームのコードを隅から隅まで読む代わりに、設計の可視化(JIG など)で ドメイン知識の歪みを、静的解析のメトリクス閾値で形式的品質を機械的に拾い、違和感のある箇所だけを人が重点レビューする運用。AI 生成コードにもそのまま効く。
調査時点: 2026-06。
増田亨の運用
増田亨(@masuda220)が 2026-06-17 に述べた運用が起点。
- チームが作成したコードをすべて読むことは 10 年以上前にやめた。JIG でコードに書かれたドメイン知識を可視化し、IntelliJ IDEA のコードインスペクションで形式的な品質をチェックする。そこで見つけた違和感のある箇所を重点的にレビューする
- コードを AI が生成しても同じ。インスペクションで意外と警告が出る。AI が習得している記述パターンと、インスペクションの指針は必ずしも一致しない。クラスの大きさ、メソッドの長さ、ネストの深さなどの閾値をデフォルトより小さくしている
構造
レビューの対象を 2 つの機械的な入力で絞り込む。
| 層 | 見るもの | 手段 |
|---|---|---|
| 設計・ドメイン知識 | パッケージ依存の向き、ドメインモデルの形、命名が業務語彙になっているか | JIG などの設計可視化 |
| 形式的品質 | クラスサイズ、メソッド長、ネスト深さ、複雑度、パラメータ数 | IDE インスペクション、または Checkstyle / PMD / ESLint などの静的解析 |
人のレビューは、この 2 層が示した「違和感のある箇所」に集中させる。
成立条件
- 設計可視化が効くには、コードが層構造と業務語彙の命名で書かれている必要がある(JIG の前提)。可視化ツールを入れただけでは歪みは浮かび上がらない
- 形式的品質の閾値は、デフォルトでは緩い。増田の運用のようにデフォルトより締めると、AI 生成コードの警告が「意外と出る」状態になる
- 「IDE のインスペクション」は IntelliJ 固有ではなく、静的解析でメトリクス閾値違反を検出することが本質。CLI ツールで CI に載せればエディタに依存しない
関連
更新履歴
- 2026-06-19: 初版(ローカル調査ノート)
- 2026-10-17: Wiki へ移植、概念ページとして再構成